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Essay by Suzuki Yoshio          
鈴木 芳雄のエッセイ
26 鈴木教授のマンダレー滞在記 その18 2001/9/2
25 鈴木教授のマンダレー滞在記 その17 2001/9/2
24 鈴木教授のマンダレー滞在記 その16 2001/8/28
23 鈴木教授のマンダレー滞在記 その15 2001/7/15
22 鈴木教授のマンダレー滞在記 その14 2001/6/28
21 鈴木教授のマンダレー滞在記 その13 2001/6/28
20 鈴木教授のマンダレー滞在記 その12 2001/4/12
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18 鈴木教授のマンダレー滞在記 その10 2001/3/7
17 鈴木教授のマンダレー滞在記 その9 2001/1/8
16 鈴木教授のマンダレー滞在記 その8 2001/1/8
15 鈴木教授のマンダレー滞在記 その7 2000/12/16
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13 鈴木教授のマンダレー滞在記 その5 2000/12/16
12 鈴木教授のマンダレー滞在記 その4 2000/10/5
11 鈴木教授のマンダレー滞在記 その3 2000/9/11
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鈴木教授のマンダレー滞在記 その12
by 鈴木 芳雄

2001年2月23日記
小屋掛け芝居

 季節の移り変わりは早いもので2月の声を聞いた途端、日中の気温が上がり始め南の風が吹いて来ました。朝の室温で見るかぎり1月中は21〜k?24〜kA
 今、ここマンダレーは落ち葉の季節です。いつの間にか道路脇は黄色い木の葉がいっぱいで人々はその掻き集めに精を出しています。そこここから落ち葉焚きの煙も上がっていて日本の晩秋さながらの風情です。南国は常緑樹ばかりと思っていましたが、仔細に見ると裸になっている木もあり、半分紅葉しているようなものもありといろいろです。落葉の後寒気が到来する日本とは反対に暑気がくるのですから、これまた驚きで世間は広いものだと変なところで感心しています。
 朝、散歩から帰ると、うっすらと汗ばむようになり朝の水浴びを再開しました。道行くミャンマー人は相変わらずもっこりと着込んでいますが、これで快適だった寒季とも別れ、暑い季節を迎えるのかと思うとなんだか心許ない気分になります。そんな気弱な事でどうするとの声が何処からともなく聞こえてはきますが、歳はとりたくないものです。
 日本には昔から過ぎ去る季節を惜しむという感覚があります。風流心など全く持ち合わせない私にとって、例えば「春を惜しむ」などというのは言葉の遊びとかしか思えませんでした。そんな私が今、過ぎ行く寒季を名残惜しく思い懐かしく思うのは、あながち旅の感傷とばかりいえないのではないかと心境の変化にびっくりしています。
 マンダレーで寒季という言葉が適切かどうかは別にして、この時期、特殊な行事が催されていたのも印象的でした。急造の芝居小屋が出現し、踊りや劇が上演されるのですが、場所が点々と移動するのです。僧院へ寄進する仏経行事との関連で行われているようで、お坊さんの集まる場所と併設されているのが特徴的です。空き地が利用される場合もあるようですが、大部分は一般の道路が一時閉鎖されて使用されるという大掛かりのものです。
 上演される期間は3日間ぐらいですが、小屋掛けに要する日数を合わせると一ヵ所で1週間といったところです。移動する距離は割合近間もあり首を傾けたくなる事がありました。しかし最大の驚きは上演時間が夜通しというところです。夜の10時頃から始まり、終わるのが翌朝の6時半ごろです。土地不案内で、ついに通しで観る機会がなかったのは残念でした。しかし踊りから始まる最初の場面は何度か観る機会がありました。
 朝の散歩の際、芝居をたっているのに着付き、随分早くから始めるものだと感心していたのですが、なんと前夜から続いていて、それが終わるところと知り二度びっくりでした。当初は小屋の周りに出店している沢山の食べ物屋の屋台から放出されたらしい多くのゴミを見て、不思議に思っていたのですが、夜食提供のものと分かり納得しました。
 ちょうど私の散歩エリアと12-1月の小屋移動の範囲が合っていたせいか、散歩の途中、5分か10分ですが最後の部分をのぞき観する機会が何度かあり、大いに楽しみました。劇団は二組ぐらいで巡業していたようですが、私が観たのはいつもきまって座長挨拶の大団円の最終場面でした。劇団により総踊りがあったりなかったりといろいろでした。朝の寒気のせいか、座長挨拶の間、若い女性団員さん達が踊り衣装の上に普通のジャンバーを羽織ってかしこまっているあたり、いかにも田舎芝居らしい微笑ましい風景でした。
 ヤンゴンではついぞ見かけなかった小屋掛け芝居を目の当りにして、マンダレーの地方性や気候を再認識した形となり大いに満足したものです。

(C) 鈴木 芳雄