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ミャンマー伝統音楽Traditional Music

ミャンマー・サウン(竪琴)

by ウー・ミンチー


ミャンマー・サウン(竪琴)はピュー時代から使用されていると言われている。9世紀には海外で演奏された記録が残っており、それぞれの時代によって竪琴の形は変わってきているが、基本的な形は変わっていない。

myanmar harp

ピュー時代のAD802年のものと推測される彫刻の写真

10-13世紀のパガン王朝時代には竪琴がよく使用されたらしい。当時の様子はアーナンダ寺院に壁画として今も残っている。   1752年-1885年のコンバウン時代での竪琴の特徴の一つは、プロ演奏者もアマ演奏者も自分の竪琴の底部分(パラ)に、「カラウエイタン(鳥の鳴き声)」「ミャチュンタン(鐘の音)」「ジワゾー(鳥の鳴き声)」と記入していたらしい。
  竪琴は王宮でもよく演奏されていた楽器で、王や王妃、大臣達の間で竪琴の演奏者は重宝にされ、また尊敬されていた。卓越した演奏者としては、タウングーの王「ナシンナウン」が有名で、その他、西王宮の王妃「マミャガレイ」、大臣の「ミャワディミンジーウーサ」など、竪琴の名演奏者としても有名であった。

ミャンマーの音楽はそれぞれの楽器におけるスケール(音階)の範囲内で演奏される。それぞれの音楽に対して竪琴のスケールを調整し、チューニングされる。
 例えばチョウ、ボエ、ティチンカンなどの音楽はニンロンスケール(ソファミドシ)で演奏され、パッピョウ、レイトゥエタンカ、ロカナタン、などはアウピャンスケール(ソミレドシ)で演奏される。ボウレイ、ヨディアはパレイスケール(ソミレドラ)で演奏され、シッセイポウテイタとデインの歌がミンザイというスケールで演奏される。
 当初竪琴の弦は3弦のみであった。それをコンバウン時代の大臣であった有名な竪琴奏者「ミャワディミンジーウーサ」は独自に7弦の竪琴を発明した。その後、「サヤネイン」が14弦の竪琴に変化させ、第二次世界大戦中の最も有名な竪琴奏者「アリンカチョウスワ・ウバタン」がベース音2弦を増やし、現在の16弦の竪琴になった。増えた2弦は「ドンチョ」と呼ばれている。


3弦竪琴

7弦竪琴

14弦竪琴

竪琴は大きく本体と弓柱の二つの部分に分けられる。本体はパダウの木でできており、長さは28インチ。竪琴の厚さは「3厚く3薄い」と呼ばれている。厚い部分は後部と弓なりの部分そして底の3箇所で、薄い部分は両サイドと鹿の皮でカバーされている部分の3箇所である。太い部分は1/4インチで薄い部分は1/16インチである。
 竪琴にはそれぞれの名称が付けられている。「サンオウ」「ニャンユエ」「パラ」「ミンヨウ」「タミンイエ(本体をカバーしている鹿の皮の部分)」「ミャウガウン(猿の頭)」「ボエチョウ(レオンに括りつける紐)「チョウ(弦)」「ニャウンユエ(レヨンの一番上の部分)」「レヨン(アカシアの木でできており、直径11/4から13/4)」このレヨンはボエチョウが結ばれる弓なりの部分の名称で曲がり具合によって3種類の言い方がある。通常の形は「タジンコエ(タジンと呼ばれる伝統的なランの根)」と呼ばれる。曲がりが浅いと「ミャウタイン(猿が座っている姿勢)」と呼ばれたり「マンピャ(丸手鏡の形)」と呼ばれたりする。上記3つの曲がり具合はその時々の乾燥の仕上がり状態によって変わる。

myanmar harp

左上:タジンコエ、右:ミャウタイン、左下:ンガミャーチェイ

鹿の皮の部分も含めて竪琴はうるしが塗られ一部には金箔が貼られている。竪琴を置く専用スタンドは「サウンチェイ」と呼ばれている。竪琴の底は長円形なのでそのまま置くことはできない為、きちんと保管できるような専用スタンドがある。ミャンマーの人々は竪琴を崇拝(賛美)している為、床にじかに置くことはなく、また尊いものとして保管されている。

昔は竪琴の弦は竪琴演奏者自身がシルクを使って作っていたが、現在はほとんどその技術を持つ竪琴演奏者はいない。現在ではほとんどの演奏者が既製品であるナイロンの弦を使用している。
 シルクもしくはナイロンの弦はボエチョウと呼ばれる紐と結ばれ、竪琴のミンヨウと呼ばれる場所からレヨウと呼ばれる場所に括り付けられる。このレヨウに括りつけることを「ブレテカ」と言い、すべての弦を括りつけた後、一本づつチューニングしていく。チューニングは前述したように曲によって異なる。
今日ではギターのチューニング時に使われる糸巻きが使用されている竪琴もある。レヨンに取り付けられた糸巻きでギターのようにチューニングが簡単にできる。しかしながらプロの竪琴奏者は好まない。早く簡単にチューニングを済ませたいアマチュアの竪琴奏者向けだからである。
ボエチョウの音楽を演奏していて、別の音楽を演奏するためにチューニングを変更しようとした場合、1弦につき、普通なら最低30秒から1分かかるが、もし糸巻き付きの竪琴ならば3-5秒でチューニングできる。弦はすべてで16本あるため普通の場合はチューニングだけで約10分かかってしまう。ただ、簡単なこの方法はすばらしいミャンマーの伝統が失う恐れがあるが、多くの竪琴演奏者は伝統的なチューニング方法を後世に伝えていくため、今でも昔ながらのチューニング方法を行っている。
余談だが、ペグー山脈やシャン州では7弦という独特の竪琴が存在していた。これはチューニング用にレヨウに糸巻きが付いている。

追記:

前述した通りミャンマーの音楽は7つの音がある。これらは竪琴から発展したものと言われている。というのは、竪琴はミャンマーの伝統楽器の中でも最も古く、そこから「ニンロン」や「パレイ」「アウピャン」などに発展したものと考えられている。
ミャンマー独特の7つの音は、近年、国際的なスケールである「C」のものに変換されつつある。つまり、ネッパウ(Bの1/4音下)はBの音に。ンガーパウ(Fの1/4音上)はFに。チャウパウ(Eの1/4音下)はEに置き換えられている。それにより本来のミャンマーの音楽が失われつつあるため、竪琴演奏者の中には、伝統的なスケールをそのまま残すために昔ながらのスケールで演奏している人もいる。
今日伝統音楽を守るため、政府による伝統音楽の全国大会が毎年1回開かれている。これによりミャンマーの伝統音楽を再認識してもらい、また、その技術を引き継いでいく努力が行われている。

© ウー・ミンチー

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