国旗:日本 国旗:ミャンマー「ヤンゴンナウ」は1999年創業の日系旅行会社「サネイトラベル」がお届けするミャンマー総合情報サイト

  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
  • facebook
  • twitter

ミャンマーを知る

ビジネス

過熱・ヤンゴン塾戦争-


過熱・ヤンゴン塾戦争

by 西垣 充


     近年ヤンゴンでは塾が大盛況です。ヤンゴンにある塾は大きく以下の3つに分かれますが、その中でも最近最も注目を浴びているのが入試用の塾です。有名大学・学部に入学、卒業させるために、有名な高校、中学、そして小学校に我が子を入学させようと幼稚園から塾に行かせる家庭が増え、現在ヤンゴンだけで入試用の塾は200を越えると言われています。(現在、ミャンマーでの最難関はヤンゴン大学医学部、そしてコンピュターサイエンス学部、ヤンゴン工科大学などです。)

1. 入試用塾・・・有名小学校への入学用から大学入試用まであります。
2. 外国語取得用塾・・・外国語取得用塾では英語が一番人気があり、その他フランス語、中国語、日本語などが人気があります。授業料は3ヶ月間(週2回/1回約2時間)で8000-10000チャットぐらいが相場のようです。
3. 生活用塾・・・電気工や溶接技術、自動車修理などから宝石の研磨や縫製など生活に役立つものや、最近人気があるモデルの育成学校やメイクアップ教室などもあります。

     今回は上記3つの中でも一番一般的な塾、大学入試用の塾にスポットをあて、リポートしたいと思います。
まず、入試用塾には大きく以下の4タイプに分かれます。

1. 全寮制塾(ボーダー)・・・大学入試用の塾が一般的で、ほとんどが10年生(ミャンマーの教育制度の基本は小学校4年、中学校4年、高校2年)を対象にしています。ただ最近では8年生や9年生を対象にした塾も出てきました。この塾を利用する学生は地方出身者やお金持ちが一般的です。朝・昼・夕・夜の1日4回食事、が付いて、10ヶ月間で30万-50万チャットぐらいが相場のようです。
2. 1クラス大人数で行われる塾(セッション)・・・大学入試用の塾がほとんどで、ヤンゴンではダウンタウン38Streetにたくさんあります。授業料も比較的安く、もっとも一般的です。朝9時ごろから夜23時頃まで教えています。授業料は月に週2回1教科/90分で500-1000チャットぐらいが相場のようです。(大学受験は英語、ミャンマー語、数学、サイエンス(生物・化学・物理)、アート(地理・経済・歴史)の5教科に分かれています)
3. グループ家庭教師(ワイ)・・・生徒は友人など中心に5-10人ぐらいのグループを作り、生徒の家に先生を呼び教えてもらいます。この塾の対象は幼稚園から大学受験まで幅広く行われます。授業料は幼稚園児対象が月週2回/2時間を2000チャットぐらい、小・中学生で月週2回/2時間を6000チャットぐらいが相場のようです。
大学受験の場合はほぼ毎日の授業で月10000-15000チャットぐらいです。グループの人数が多ければ多いほど授業料は安くなるようです。
4. 個人家庭教師(ガイド)・・・生徒、先生1対1で教え、通常は生徒の家で教えます。大学受験用の場合が多く、近年大学受験を実際受けた学生が先生として教える場合が多いようです。

2 林立する塾の看板

     最近の大学受験を控えた10年生には1年間ほとんど休みはなく、毎日受験勉強になります。例えば全寮制塾の場合、毎朝高校に通い、高校が終われば寮に帰って塾の先生による勉強が始まります。平日は高校が終わってから23:00まで、土日は朝6:00-23:00まで毎日受験勉強の日々が続きます。大人数での塾に通う学生の場合は、高校のある日は高校が終わってから毎日塾に行き、土日は一日中塾で勉強になります。家庭教師の場合もほぼ同じです。

      このように、多くの10年生がほぼ毎日塾に通うため、近年多くの塾が出現してきました。そのため、各塾とも競争が激しく、様々なサービス合戦が繰り広げられています。

      寮制の塾では全室エアコン付、パソコン付、ベット1人1台、女性は女性専用寮で先生も寮係りもすべて女性が担当、洗濯付、毎週模擬テストの実施、毎週成績状況を両親にレポートする等、様々なサービスを強調して差別化を計っています。

     更に、ある寮制の塾では、塾内で大学入試の成績が1位ならば、スズキ新車1台(約450万チャット相当)の賞品、2位ならば金100万チャット相当の賞品、3位ならば金50万チャット相当の賞品などの懸賞をつけているところもあります。

      また、大人数で行われる塾では、各教科の人気講師の名を全面に出して生徒の獲得を目指しています。このため、人気講師は各塾で引っ張りだこになっており、人気講師の月収は30万チャットとか50万チャットと言われています。

3 教室

    来年大学受験を控える娘を持つマウンマウンさん(仮名)に塾について聞いてみました。

      「良い大学・学部を卒業したからといって、それが即良い仕事を得られるとは限りませんが、少なくとも大学を卒業したということで就職する際には有利になると思います。またそれだけでは、より良い仕事を得るには不十分ですので、入学後、英語や会計、コンピュータなどの塾にも通わせ、仕事に役立つ幅広い知識を娘につけさせ、少しでも就職する際に有利になるようにさせたいと考えています。」

      マウンマウンさんのように考える親子は多く、ミャンマーでは今後もますます塾業界は過熱していきそうです。

(C) 西垣 充